ラブドールの情報サイトは、買い方は山ほど教えてくれるのに、手放し方はほとんど教えてくれない。でも等身大の人形と暮らす以上、引っ越し・実家に戻る・買い替え・寿命——理由は何であれ、「見送る日」はいつか必ず来る。そしてその日は、たいてい急に来る。
タクです。ラブドール歴6年、乗り換え含めて3体目。つまり俺はこれまでに2体を見送ってきた側の人間だ。1体目は自分の手で解体して、自治体のルールに従って見送った。正直、想像の何倍もきつい経験だった。この記事では処分方法5つの現実的な比較と、俺の実体験と、「そもそも買う前にできる最強の処分対策」まで書く。
先に絶対のルール。不法投棄だけはやるな
最初に一番大事なことを書く。夜中に山や空き地に置いてくる、集積所にそのまま出す——これは不法投棄で、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(併科もある)という重い犯罪だ。しかも等身大の人形は、発見されると事件性を疑われて警察が動くことがある。「バレたくない」が動機の人ほど、一番バレる方法を選んではいけない。ここから下の5つは、全部合法で、全部バレずにやれる方法だ。
処分方法は5つ。費用・バレにくさ・手間で比較する
| 方法 | 費用の目安 | バレにくさ | 手間・注意点 |
|---|---|---|---|
| ①解体して自治体ゴミ | ほぼ0円〜数百円 | ◎(袋の中身まで見られない) | 手間と精神的負担が最大。分別ルールは自治体確認が必須 |
| ②メーカー・店の里帰りサービス | 無料〜数千円+送料 | ◎(無地梱包で送るだけ) | 買った店・メーカーにサービスがあるかで決まる。国内メーカーは提供が多い |
| ③供養・お葬式業者 | 3〜10万円 | ◎ | 費用は最高クラス。気持ちに区切りをつけたい人向け |
| ④不用品回収業者 | 数千円〜数万円 | ○(非対面回収を選べば◎) | 楽さは最強。無許可業者を避けて、非対面対応の明記がある所を選ぶ |
| ⑤買取業者に売る | 逆にお金になる場合も | ○ | 状態のいい人気モデル限定。値段がつかないことも多い |
①の補足を先にしておく。ラブドールは多くの自治体で粗大ゴミ扱いになるが、分別ガイドに「ラブドール」という項目はまず載っていない。「等身大の人形」「TPE製の大型品」として問い合わせるか、解体して通常の分別(素材ごと)に落とすかの二択になる。俺は後者を選んだ。
⑤について正直な立場を書いておくと、俺は選ばなかった。金銭的には一番合理的な選択肢だが、中古の記事で書いたとおり、俺はこの買い物の中古流通に「次の持ち主の顔が見えない」引っかかりを感じる側の人間だからだ。ここは金額ではなく気持ちの問題なので、引っかからない人が使うぶんには合理的な選択肢だと思う。
実体験。1体目を解体して見送った話
俺の1体目は160cm級のTPEで、約20万した(写真と別物が届いた例のやつだ)。手放すと決めたとき、当時の俺は業者に頼む金銭的余裕も、里帰りサービスの知識もなかった。それで自分で解体した。
作業として書くと、TPEはカッターで切れる。中には金属の骨格が通っていて、これは不燃側に分ける。素材の性質はTPEとシリコンの記事で書いたとおりで、切ること自体は難しくない。布で包んで中身が見えないようにして、数回に分けて出した。費用はほぼゼロ。バレる要素もゼロ。方法としては、確かに成立する。
ただ、正直に書いておく。きつかったのは作業じゃなくて、気持ちの方だった。2年一緒にいた形あるものに刃物を入れるのは、ゴミ処理というより解体式に近い何かで、途中で何度か手が止まった。「たかが人形」と笑える人は①でいい。笑えない自覚がある人は、②か③に金を払う価値が本当にある。これは見送った側にしか分からない感覚だと思う。
最強の処分対策は、買う時点で「出口」を確保しておくこと
2体を見送って分かった結論はこれだ。処分の問題は、処分のときではなく購入のときにほぼ決まっている。里帰りサービスのある国内メーカーや、引き取りに対応した店で買っておけば、見送る日が来ても「無地の箱で送るだけ」で終わる。たとえば日本製最高峰のオリエント工業には里帰りの仕組みがあることはオリエント工業の記事で書いた。これから買う人は、価格や顔だけでなく「この店は出口があるか」を選定基準に1つ足してほしい。
そして手放す理由が「買い替え」なら、処分と次の1体はセットで考えることになる。俺のように乗り換えを重ねる人間の店選びの基準は変わらない。出荷前に実物写真を確認できる正規代理店で買う。それだけで「写真と別物」の失敗と、早すぎる2回目の処分を両方防げる。
よくある質問
供養は必要ですか。
必要かどうかは宗教ではなく、あなたの気持ちの問題だ。俺のように解体で手が止まるタイプなら、数万円で気持ちの区切りが買えるのは高くないと思う。なお一般の寺社の人形供養はラブドールを受け付けていないことが多く、専門業者を探すことになる。
家族に知られずに処分できますか。
できる。バレにくさなら、無地梱包で送るだけの里帰りサービスか、非対面回収対応の不用品回収業者が上位だ。解体して出す方法もバレにくいが、作業中の時間と場所を確保できることが条件になる。保管中のバレ対策は保管の記事にまとめてある。
まだ買っていないのですが、処分まで考えるのは気が早いですか。
むしろ買う前のいまが、処分について一番冷静に考えられるタイミングだ。里帰りサービスの有無を店選びの基準に足すだけで、数年後のあなたの負担が大きく変わる。出口まで見て買うのは、気が早いのではなく順番が正しい。
まとめ。見送り方まで決めてこそ、飼い主だ
処分方法は5つ。金をかけないなら解体して自治体分別、楽さなら非対面の回収業者、気持ちの区切りなら里帰りか供養。どれも合法で、どれもバレずにやれる。ただ2体見送った俺から1つだけ言わせてもらうと、この問題の最適解は処分の場面にはない。出口のある店で買う。それが唯一、先回りできる答えだ。いま手放す日を迎えている人は、無理に「たかが人形」と割り切らなくていい。俺も割り切れなかった。
